MR ワクチン第 3 期および第 4 期接種の免疫原性

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タイトル別名
  • Phases 3 and 4 Immunization Immunogenicity with Combined Measles-rubellaVaccine
  • MR ワクチン ダイ3キ オヨビ ダイ4キ セッシュ ノ メンエキ ゲンセイ

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抄録

わが国では 2006 年 4 月から麻疹・風疹混合 (MR) ワクチンの 2 回接種法 (1 歳と小学校就学前) が導入され,さらに,2008 年 4 月~2013 年 3 月の 5 年間に限り,中学 1 年生相当年齢 (第 3 期) と高校 3 年生相当年齢 (第 4 期) における MR ワクチンの追加接種が導入された.今回,MR ワクチン第 3 期および第 4 期接種の免疫原性と安全性を調査した.2007 年 8 月~2009 年 12 月に,3 名に対して MR ワクチンの第 3 期接種,15 名に対して第 4 期接種を行った.ペア血清 (接種前および 4~6 週後) を採取し,麻疹抗体を赤血球凝集抑制 (HI) 法) と中和反応 (NT),風疹抗体を HI 法で測定した.麻疹のワクチン接種前HI 抗体陽性率 (≧8) は 72% (13/18),NT 抗体陽性率 (≧2) は 100% (18/18) であり,接種後には抗体陽性率がそれぞれ 94% (17/18),100% (18/18) となった.接種後の HI および NT 平均抗体価は接種前に比べ有意に上昇し,4 倍以上の抗体価上昇がそれぞれ 9 名 (50%) と 6 名 (33%) に認められた.風疹の接種前 HI 抗体陽性率 (≧8) は 94% (17/18),接種後のHI 抗体陽性率は 100% (18/18) であった.接種後に平均抗体価は有意に上昇し,4 倍以上の抗体価上昇が 8 名 (44%) に認められた.麻疹について 3 名,風疹について 2 名の第 1 期接種前後の HI 抗体が測定されていた.第 1 期接種後の麻疹 HI 抗体価3 2,64,128 は接種直前にそれぞれ 16,8,<8 と低下または陰性化し,第 1 期接種後の風疹 HI 抗体価 128,256 は接種直前にそれぞれ 64,32 と低下していたが,60% (3/5) に接種後の抗体陽転または 4 倍以上の抗体価上昇を認めた.全例に接種後 4 週間の臨床反応調査を行い,1 名に軽い発熱がみられた以外,全身蕁麻疹,アナフィラキシーなどの全身性副反応および接種部位の局所反応を認めなかった.結論として,MR ワクチン第 3 期および第 4 期接種の免疫原性は良好であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 85 (3), 250-255, 2011

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (13)*注記

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