小児科病棟から分離されたLinezolid 耐性<i>Enterococcus faecalis</i> の 分子疫学解析

DOI Web Site Web Site PubMed 被引用文献1件 参考文献36件
  • 二本柳 伸
    北里大学病院臨床検査部 北里大学医学部生命科学研究所抗感染症薬研究センター
  • 安達 譲
    北里大学病院臨床検査部 北里大学医学部生命科学研究所抗感染症薬研究センター
  • 小貫 智世
    北里大学病院臨床検査部
  • 中﨑 信彦
    北里大学病院臨床検査部
  • 平田 泰良
    北里大学病院感染管理室
  • 藤木 くに子
    北里大学病院感染管理室
  • 高山 陽子
    北里大学病院感染管理室
  • 狩野 有作
    北里大学病院臨床検査部 北里大学医学部臨床検査診断学
  • 坂東 由紀
    北里大学医学部小児科学
  • 壇辻 百合香
    北里大学医学部生命科学研究所抗感染症薬研究センター
  • 花木 秀明
    北里大学医学部生命科学研究所抗感染症薬研究センター
  • 砂川 慶介
    北里大学病院感染管理室 北里大学医学部生命科学研究所大学院感染制御科学府

書誌事項

タイトル別名
  • Emergence of Linezolid-resistant <i>Enterococcus faecalis</i> Strains from Two Inpatients in a Pediatric Ward
  • 小児科病棟から分離されたLinezolid耐性Enterococcus faecalisの分子疫学解析
  • ショウニカ ビョウトウ カラ ブンリ サレタ Linezolid タイセイ Enterococcus faecalis ノ ブンシエキガク カイセキ
  • Emergence of linezolid-resistant Enterococcus faecalis strains from two inpatients in a pediatric ward
  • 小児科病棟LZD 耐性腸球菌

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抄録

2011 年4 月11 日および6 月3 日に北里大学病院小児科病棟の患者2 名からLinezolid （LZD） の最小発育阻止濃度 （Minimum Inhibitory Concentration；MIC） 値が＞4.0μg/mL を示すEnterococcus faecalis（LZD 耐性E. faecalis） を3 株分離した．患者2 名 （患者A；菌株1 と2，患者B；菌株3） の背景を調査した結果，患者A とB は同一病棟の同室に入院しており，担当医療従事者にも接点があった．LZD の投与歴は，患者A のみで17,600mg/60 日であった．患者A は退院時まで本菌が分離されたが，患者B は抗菌薬治療によらず陰性化した．対象菌株3 株をClinical and Laboratory Standards Institute （CLSI） 法に準じて各種抗菌薬のMIC を測定した結果，Vancomycin （VCM），Teicoplanin （TEIC） が感受性，LZD は8.0μg/mL～16.0 μg/mL で耐性を示した．対象菌株3 株は，Polymerase Chain Reaction （PCR） による23S domain V のシーケンス解析でG2576T の変異を確認し，Pulsed-field Gel Electrophoresis （PFGE） ではいずれも極めて類似した相同性を示した．したがって，本菌のLZD 耐性獲得は患者A にLZD を大量且つ長期間投与したことによる可能性が高いこと．患者A，B から分離したLZD 耐性E. faecalis は担当医療従事者を介した接触伝播であることを推察した．

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 86 (5), 555-562, 2012

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (36)*注記

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