川崎市における腸管病原性大腸菌及び腸管凝集性大腸菌の分離状況と細胞付着性試験等による病原性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Frequency and Characterization of EPEC and EAgg EC Isolated in Kawasaki City
  • カワサキシ ニ オケル チョウカン ビョウゲンセイ ダイチョウキン オヨビ チョウカン ギョウシュウセイ ダイチョウキン ノ ブンリ ジョウキョウ ト サイボウ フチャクセイ シケン トウ ニ ヨル ビョウゲンセイ ノ ケントウ

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抄録

2012 年4 月から2013 年12 月までに川崎市健康安全研究所に搬入された1,029 名の検便検体を対象にeae 及びaggR 遺伝子を指標にPCR 法によるスクリーニングを実施し,腸管病原性大腸菌(EPEC)を30 株と腸管凝集性大腸菌(EAggEC)を32 株分離同定した. 分離された30 株のEPEC と32 株のEAggEC のうち,EPEC は9 株,EAggEC は8 株のみ市販の大腸菌O 免疫血清により血清型別が可能であり,多くの株においてO 血清型別不能となった.しかし,O 血清型別不能であったEPEC,EAggEC において複数の同じH 抗原型が認められたことから,それぞれが同じO 血清型である可能性が示唆された. HEp-2 細胞による細胞付着性試験においてはEPEC で2 株(6.6%)のみ付着が認められたのに対し,EAggEC においては16 株(50.0%)で付着が認められたことから,EPEC とEAggEC は同様の分離率を示したものの,病原性を有する割合には差があることが考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 89 (1), 37-45, 2015

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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