小児マイコプラズマ感染症診断における迅速診断キットの有用性

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タイトル別名
  • Evaluation of a Rapid IgM Antibody Detection Kit for Diagnosis of <I>Mycoplasma pneumoniae</I> Infection During Childhood
  • ショウニ マイコプラズマ カンセンショウ シンダン ニ オケル ジンソク シンダン キット ノ ユウヨウセイ
  • Evaluation of a Rapid IgM Antibody Detection Kit for Diagnosis of Mycoplasma pneumoniae Infection During Childhood

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抄録

肺炎マイコプラズマ (Mp) 特異的IgM抗体迅速検出キット「イムノカードマイコプラズマ抗体 (IC)」(国内販売元, テイエフビー) の有用性につき検討した. 微粒子凝集法 (PA) によりMp肺炎と診断された (ペア血清で4倍以上の上昇あるいは急性期640倍以上) 16歳以下の小児23症例30検体を対象とした. ELISA法 (米国Zeus社製造, 日本国内非売品) にてMp特異的IgM及びIgG抗体を測定し, 比較した. 今回の検討においては製造元 (米国Meridian社) が勧めるところの「発色までの観察時間5分」で陽性になったのが発熱 (37.5℃以上) から5病日以後に得られた8検体のみと少なく, 同「10分」の観察で青色を呈したと判定された6検体も陽性とした. 結果の判定は複数の目で行なった. 本研究では病初期の単一血清による診断可能性に注目し, 発熱から5病日までに検体が得られた18例につき検討を加えたところ, ELISA・IgMでは13例 (72%) で陽性と判定され, IC法では10分での判定で陽性の5例を含む6例 (33%) が陽性, 急性期単一血清で320倍を「陽性」とした場合のPA法では4例 (22%) のみが陽性と判定された. ELISA法によるIgM抗体測定が最も鋭敏であり, IC法は米国での発売当初文献的に報告されたほど感度が高い印象は無かった. 外来診療中にでも施行可能であるという迅速性と簡便性が本法の利点であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 77 (5), 310-315, 2003

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (5)*注記

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