混合酸化剤溶液の<I>Cryptosporidium parvum</I>オーシスト感染性に対する不活化効果

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タイトル別名
  • Effect of the Mixed-Oxidant Solution on Infectivity of <I>Cryptosporidium parvum</I> Oocysts in a Neonatal Mouse Model
  • 混合酸化剤溶液のCryptosporidium parvumオーシスト感染性に対する不活化効果
  • コンゴウ サンカザイ ヨウエキ ノ Cryptosporidium parvum オーシスト カンセンセイ ニ タイスル フカツカ コウカ
  • Effect of the Mixed-Oxidant Solution on Infectivity of Cryptosporidium parvum Oocysts in a Neonatal Mouse Model

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抄録

強酸性電解水の一つである混合酸化剤溶液 (Miox溶液と称す) のCryptosporidium parvumオーシストの感染性におよぼす不活化効果について乳飲みマウス感染モデルを使って検討した. その結果, Miox 溶液 (滅菌PBS希釈) は残留塩素濃度および処理時間依存的にオーシストの感染性に対して不活化効果を発揮し, 腸管から検出されるオーシスト数は, 無処理対照群と比較して残留塩素濃度5mg/l, 2時間処理で0.5log10, 4時間処理で1.5~2.1log10の有意な減少を認めた. 一方, 次亜塩素酸ナトリウム溶液 (滅菌PBS希釈) では残留塩素濃度5mg/l, 4時間同様に処理した場合でも腸管から検出されるオーシスト数の減少を全く認めなかった. また, 両者の不活化効果の違いは形態観察によって, Miox溶液処理群にのみ変性オーシストが散見されたことからも確認された. さらに, オーシストを含む生物処理下水に残留塩素濃度5mg/lのMiox溶液を加えて4時間処理し, オーシスト感染性の不活効果を比較した. その結果, 腸管から検出されるオーシスト数は, 無処理対照群に比較してPBS希釈Miox溶液で処理した場合に2.1log10, 生物処理下水希釈Miox溶液で処理した場合に08log10の有意な減少を示した. 以上の成績から, Miox溶液は浄水や下水などの水環境を汚染する可能性のあるC. parvumオーシストの感染性に対して優れた不活化効果を発揮することが示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 77 (2), 75-82, 2003

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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