中・四国地区における腸管出血性大腸菌感染症の疫学的解析と分離菌株の細菌学的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Epidemiological and Bacteriological Investigation of Enterohemorrhagic <I>Escherichia coli</I> Infection in the Chugoku-Shikoku Area
  • チュウ シコク チク ニ オケル チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン カンセンショウ ノ エキガクテキ カイセキ ト ブンリ キンカブ ノ サイキンガクテキ ケントウ
  • Epidemiological and Bacteriological Investigation of Enterohemorrhagic Escherichia coli Infection in the Chugoku-Shikoku Area

この論文をさがす

抄録

1996年から1999年までの4年間に, 中・四国地区の地方衛生研究所が把握した腸管出血性大腸菌感染症の発生状況と, それらの症例から分離された腸管出血性大腸菌 (EHEC) の菌学的特性を調べることにより, 同地区における腸管出血性大腸菌感染症の疫学的解析を行うことができた.<BR>22事例の施設内集団発生事例では, 保育園や老人ホームなどの若・高年齢層の集団に発生する傾向を示し, その血清型はO157のほかO26, O111等によるものであつた. これらの施設内発生事例のうち4事例では, 日本そば, サラダ, 砂場, 山羊の糞からEHECを分離することができ, 感染源が特定された. 家族内発生例も含めた898例の散発例では24種類の血清型が認められ, パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) によるO157: H7の遺伝子型 (PFGE型) も多岐にわたっていた. また, 無症状保菌者が家族内発生例の成人層に多く見られたことから, 感染源として健康保菌者の存在が重視された. EHECの薬剤感受性試験では, 供試菌924株の24%に耐性菌が認められた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 76 (6), 439-449, 2002

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ