新規MIC測定キットを用いた抗菌力の測定: 培養条件の厳しい菌種とまれに検出される菌種を中心に

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タイトル別名
  • Evaluation of a New Method for Susceptibility Testing against Fastidious and Unusual Bacteria
  • シンキ MIC ソクテイ キット オ モチイタ コウキンリョク ノ ソクテイ

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抄録

Etest®を用いて栄養要求性や培養条件の厳しい39菌種154株のMICを測定し, 寒天平板希釈法と比較検討した.Haemophilus influenzae(20株), Corynebacterium spp.(9株), Listeria monocytogenes (2株), Eikenella corrodens(2株),Capnocytophaga ochracea(2株) では, 検討したいずれの薬剤においても双方のMIC値に有意差を認めなかった.Streptococcus pneumoniae(39株) およびその他のStreptococcus属 (14株) に対しては, β-lactam薬のMIC値の一致率は高かったが, vancomycinやerythromycin (EM) のMIC値がEtest ® でlog2 (1管)-2log2(2管) 高く判定された.Campylobacter spp.(31株),Helicobacter pylori(2株) に対してはEtest®がimipenemで1管低く, Moraxella catarrhalis(10株), Neisseria genorrhoeae(2株) に対してはEMで1-2管高く判定される傾向を示した.嫌気性菌に対してはいずれの薬剤もEtest®でやや低めに判定される傾向を示したが, 統計学的には有意差を認めなかった.これまで日常検査でのMIC測定が困難とされていた栄養要求性や培養条件の厳しい菌種においても, Etest®では簡便にMIC測定が可能となることから, 今後日常検査への導入が期待できる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (10), 1017-1026, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (15)*注記

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