乳児期の難治性喘鳴と後天性サイトメガロウイルス感染との関連

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タイトル別名
  • Cytomegalovirus (CMV) Infection in Infants may Result Intractable Stridor
  • ニュウジキ ノ ナンジセイゼンメイ ト コウテンセイ サイトメガロウイルス カンセン ト ノ カンレン

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抄録

3カ月以上喘鳴をきたす10名の乳児を経験した. いずれもteophyllin製剤やβ刺激薬の反応は不良で, 3カ月以上にわたる喘鳴を認め, 入退院を繰り返していた. 全例白血球の増多を認め, 経過中にトランスアミナーゼの異常 (GOT, GPT上昇) を認めていた. 好中球殺菌能を検索した4例では2例で低下を認めた. IgE, RASTなどアレルギー検査結果は高値を示さず, さらに胸部レントゲン写真では間質性肺炎像や無気肺像を示すものもあった. 全例, サイトメガロウイルスIgM抗体陽性で, CF法も高値を示した. CMVPCRで唾液を検索し, 10例中7例が陽性であった. 気管支鏡を施行した3例では, 気管支洗浄液 (BAL) より2例でCMVが分離できた. CMVPCR陽性の検体はダイレクトシークエンス法にて1mmediateearly (IE) 領域の一部の塩基配列の決定を行い, silent mutationを認めた他はほぼ同じシークエンスであった. 乳児の長期喘鳴とCMV感染の関連が示唆され, CMVによる免疫機構への影響について検討が必要と思われた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (8), 675-679, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (10)*注記

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