市中総合病院における院内肺炎の現状

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タイトル別名
  • Nosocomial Pneumonia Experienced in a Community Hospital
  • シ チュウ ソウゴウ ビョウイン ニ オケル インナイ ハイエン ノ ゲンジョ

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抄録

市中総合病院における院内肺炎の現状を探るため, 当院において過去10年間に経験した院内肺炎147例 (155エピソード) を分析した.その結果, (1) 65歳以上の高齢者, 1カ月以上の長期入院患者, Performance status 4の寝たきり患者, 呼吸器疾患を基礎疾患として有することなどが有意なリスクファクターとなった, (2) 起炎菌でMRSAなどの耐性菌の出現が増加していた, (3) 治療上, 複数の抗菌薬が長期にわたって使用され, 人工呼吸管理を要した症例が31%, ステロイド使用例が24%にのぼるなどの高度の治療にもかかわらず死亡率は50%と予後不良であった. 院内肺炎の治療が難しい理由として, 入院患者は全身状態が悪いうえ, 耐性菌や複数菌が起炎菌として関与しているためと考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (12), 1253-1260, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (19)*注記

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