腸管出血性大腸菌O157に用いる抗生物質の検討

• 伊藤 輝代

  順天堂大学医学部細菌学教室

• 秋野 恵美

  順天堂大学医学部細菌学教室

• 平松 啓一

  順天堂大学医学部細菌学教室

書誌事項

タイトル別名

• Evaluation of Antibiotcis Used for Enterohemorrhagic <I>Escherichia coli</I> O157 Enteritis
• チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン O157 ニ モチイル コウセイ
• Evaluation of Antibiotcis Used for Enterohemorrhagic Escherichia coli O157 Enteritis
• Effect of Various Antibiotics on Extracellular Release of Verotoxin

抄録

腸管出血性大腸菌O157感染症患者に投与する最も適切な抗菌剤を検討するため, MIC及び抗菌剤存在下でのベロ毒素の放出を測定した. 供試薬剤として経口剤ABPC, CCL, CFDN, FOM, NFLX, NA, KM, MINO, DOXY, TCを用いた. 11株中2株が, ABPC, TC耐性であったほかは, いずれの薬剤にも感受性を示し, MIC値の上では, 殆どすべての薬剤が有効であった. 薬剤存在下でのベロ毒素の放出を測定した所, 薬剤の添加により毒素の著しい放出をもたらすグループ (ABPC, CCL, CFDN, FOM, NFLX, NA) と, 殆ど無添加の場合と変わらないグループ (KM, MINO, DOXY, TC) に大別された. 細胞壁合成阻害剤 (ABPC, CCL, CFDN, FOM) の場合は殺菌に伴ってVT1, VT2ともに菌体より放出された. キノロン系薬剤 (NFLX及びNA) の場合は, VT2のみ菌体より放出された. これに対して蛋白合成阻害剤 (KM, MINO, DOXY, TC) の場合は, VT1は薬剤無添加の場合と同様に, 測定に用いた逆受身ラテックス凝集反応の検出限界以下であり, VT2も薬剤無添加の場合と同等, あるいはそれ以下であった. この結果は, 蛋白合成阻害剤を使用すれば, 腸管出血性大腸菌O157感染症に於て, 毒素を放出させることなく, 殺菌あるいは増殖を抑制することができることを示唆している

収録刊行物

• 感染症学雑誌

  感染症学雑誌 71 (2), 130-135, 1997

  一般社団法人 日本感染症学会

キーワード

• Vero toxin
• O157
• enterohemorrhagic <I>E. coli</I>
• antibiotics

詳細情報

• CRID: 1390001205046535040
• NII論文ID: 10008720308
• NII論文ID: 10004901484
• NII書誌ID: AN00047715
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.130
• COI: 1:STN:280:ByiB3s7nvFc%3D
• ISSN: 1884569X
• ISSN: 03875911
• ISSN: http://id.crossref.org/issn/03875911
• NDL書誌ID: 4151877
• PubMed: 9077070
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I4151877
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1997152055
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可