ビルハルツ住血吸虫症: 日本人輸入感染の1例

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タイトル別名
  • Schistosomiasis Haematobium A Case Imported by a Japanese Patient

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抄録

25歳の日本人女性が, 1994年5月から9月までアフリカ諸国を約20人で観光旅行した.その後イギリスに滞在し, 同年12月に日本に帰国した.イギリスに滞在中のアフリカ旅行同行者がビルハルツ住血吸虫症と診断されたため, ビルハルツ住血吸虫感染の検査目的で1995年2月16日に当院を受診した.受診時に自覚症状はなく, 尿中に虫卵を認めなかった.1996年7月15日に再度当院を受診したところ, 自覚症状はなかったが末梢血液検査で好酸球増多および尿中にビルハルツ住血吸虫卵を認めた.無症候性ビルハルツ住血吸虫症と診断し, プラジカンテルで治療した.ビルハルツ住血吸虫は日本国内には存在せず, その感染症は日本人医師にはなじみの薄い疾患である.熱帯や亜熱帯地域から帰国した人には, 国内に存在しない本症のような感染症も考えて対処する必要がある

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 71 (7), 672-674, 1997

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (3)*注記

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