同時に左右異なる性状の胸水を認めた結核胸膜炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Tuberculous Pleurisy with Simultaneous Bilateral Pleural Effusions: A Case Report

この論文をさがす

抄録

症例は38歳男性, 発熱を主訴に入院.胸部X線, CT所見では, 両側のiso-densityの胸水が認められ, 両側胸水を伴う結核性胸膜炎と診断した.しかしMRI所見は, 左右異なるintensityが示され, 胸水検索では左側はリンパ球優位, ADA高値の結核性胸水の性状が観察されたが, 右側は好中球優位で結核菌培養, PCRは伴に陽性を示した.リンパ球検索では左側は, 再循環型HelperT細胞が多かったが右側では僅かであった.本例は, 左側: 遅発性過敏性反応, 右側: 急性炎症性反応と結核菌感染に対して左右で異なる生体反応を同時に呈しており, 結核性胸膜炎の発症を考える上で興味ある症例と思われた

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 71 (12), 1252-1256, 1997

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ