糞便以外から分離された<I>Bacteroides fragilis</I> groupからの<I>B. fragilis</I>エンテロトキシンの検出

• 加藤 直樹

  岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設

• 加藤 はる

  岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設

• 田中 香お里

  岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設

• 渡辺 邦友

  岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設

• 上野 一恵

  岐阜医療技術短期大学

書誌事項

タイトル別名

• Detection of <I>Bacteroides fragilis</I> Enterotoxin from Extraintestinal Clinical Isolates of <I>B. fragilis</I> Group Organisms
• 糞便以外から分離されたBacteroides fragilis groupからのB.fragilisエンテロトキシンの検出
• フンベン イガイ カラ ブンリサレタ Bacteroides fragilis
• Detection of Bacteroides fragilis Enterotoxin from Extraintestinal Clinical Isolates of B. fragilis Group Organisms

抄録

糞便以外の臨床材料から分離されたBacteroides fragilis groupの菌としてB. fragilis 179株, Bacteroides distasonis 13株, Bacteroides ovatus 9株, Bacteroides thetaiotaomicron 75株Bacteroides uniformis9株, Bacteroides vulgatus 15株の合計300株におけるエンテロトキシン産生性をHT29/C1細胞を用いた細胞培養法により検討した. B. fragilisからは特異抗血清で中和されるエンテロトキシンが36株 (20.0%) 検出された. そのうち, 血液由来株では31%(18/59) がエンテロトキシン陽性であったのに対し, 非血液由来株では15.0%(18/120) が陽性で, 血液由来株から有意 (p<0.05) に高率にエンテロトキシン産生株が検出された. B. fragilis以外の菌種ではHT29/C₁細胞に形態変化をもたらす株は認められなかった. 以上の結果から, エンテロトキシン産生性B. fragilisは下痢以外の臨床材料から少なからず分離され, B. fragilisの産生するエンテロトキシンはB. fragilis groupの中ではB. fragilisに固有の毒素であることが明らかとなった. また, 血液由来株では非血液由来株に比べ有意にエンテロトキシン産生株が多いことから, metalloproteaseであるこのエンテロトキシンは菌血症や敗血症において病原因子の一つとして何らかの役割を演じている可能性が示唆された.

収録刊行物

• 感染症学雑誌

  感染症学雑誌 69 (8), 903-907, 1995

  一般社団法人 日本感染症学会

キーワード

• enterotoxin
• Bacteroides fragilis
• Bacteroides thetaiotaomicron
• sepsis
• cell culture

詳細情報

• CRID: 1390001205047243648
• NII論文ID: 130004330397
• NII論文ID: 10008726941
• NII書誌ID: AN00047715
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.69.903
• ISSN: 1884569X
• ISSN: 03875911
• NDL書誌ID: 3631658
• PubMed: 7594783
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3631658
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1996021117
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可