<I>Prevotella intermedia</I>の培養濾液中成分および短鎖脂肪酸の好中球機能に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of the <I>Prevotella intermedia</I> Culture Filtrate and Short-chain Fatty Acids on Human Polymorphonuclear Neutrophil Functions
  • Prevotella intermediaの培養濾液中成分および短鎖脂肪酸の好中球機能に及ぼす影響
  • Prevotella intermedia ノ バイヨウ ロエキチュウ セイブ
  • Effects of the Prevotella intermedia Culture Filtrate and Short-chain Fatty Acids on Human Polymorphonuclear Neutrophil Functions

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抄録

呼吸器感染症において重要な嫌気性菌の一っであるPrevotella intermediaの臨床分離株RUST004を用いて, その培養濾液のヒト好中球機能への影響について検討した.<BR>RUST004の培養濾液は好中球によるStaphylococcus aureusの貧食殺菌能を有意に抑制した (p<0.05).また, 加熱後の培養濾液でも有意な抑制 (p<0.05) を認め, 抑制物質が耐熱物質である可能性が示唆された.一方, 好中球の貧食能に対する培養濾液の明らかな影響は認められなかったが, 細胞内殺菌は有意に抑制された (p<0.05).これらのことから, P. intermediaの培養濾液による好中球貧食殺菌能の抑制は, 主として細胞内殺菌の抑制によるものであると考えられた.ガスクロマトグラフィーによる培養濾液成分の定量分析を施行したところ, コハク酸やイソ吉草酸が認められ, これらの短鎖脂肪酸は培養濾液の含有濃度で好中球の走化能を有意に抑制した (p<0.05).また, 好中球の貧食殺菌能に対してイソ吉草酸 (1mM, 5mM) では抑制作用を認めず, コハク酸30mMで有意に抑制作用を認めた (p<0.05).以上のことから, P. intermediaの培養濾液に含まれている好中球機能の抑制物質の一つとして短鎖脂肪酸 (コハク酸等) が考えられ, 嫌気性菌の混合感染時にはこれらの作用によって同時感染菌の病原性がさらに増強される可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (12), 1348-1355, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (22)*注記

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