ラット肝硬変モデルにおける抗ウイルス状態誘導能

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タイトル別名
  • Decrease of Interferon-Induced 2', 5'-Oligoadenylate Synthetase Activity in Cirrhotic Rat Liver
  • ラット肝硬変モデルにおける抗ウイルス状態誘導能〔英文〕
  • ラット カンコウヘン モデル ニ オケル コウ ウイルス ジョウタイ ユウドウ

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抄録

C型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 療法の効果は, 肝組織の線維化の進展に伴い低下し, 特に, 肝硬変に対する著効率は極めて低い.そこで著者らは, 肝組織の線維化の進展が, 何故, IFNの治療効果を低下させる要因になるかを明らかにするために, ラット肝硬変モデルを用いて抗ウイルス状態の誘導能を検討した.抗ウイルス状態の誘導能は, IFNにより誘導される2', 5'オリゴアデニル酸合成酵素活性 (2-5AS) で評価した.肝硬変ラットとコントロール・ラットにおいて, IFN投与後の血清2-5ASの変化には, 差を認めなかったが, 肝ホモジネート中の2-5ASは, 肝硬変ラットにおいて有意に低かった (105±18.5vs.171±10.2pmol/μg, p<0.01).今回の実験結果から, 肝組織の線維化が, IFNによる抗ウイルス状態の誘導能を低下させる要因になっている可能性が示唆され, また, このことが肝硬変においてIFNの治療効果が低い要因の一つと考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (12), 1383-1388, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (16)*注記

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