小児のA型インフルエンザに対するオセルタミビルの有用性に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Study on Efficacy of Oseltamivir for Influenza A in Children
  • ショウニ ノ Aガタ インフルエンザ ニ タイスル オセルタミビル ノ ユウヨウセイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

2001年1月から, 2002年7月にかけて, 当科に入院したA型インフルエンザウイルス感染者162人を対象に, 発熱持続期間, 入院期間, 解熱薬使用回数, 併発症状などを調査し, 抗ウイルス薬 (オセルタミビル, アマンタジン) 投与群と非投与群で比較検討した. オセルタミビル投与群においては, 非投与群やアマンタジン投与群に比較して, 有熱期間と入院期間が有意に短縮していた. オセルタミビル2mg/kg/日投与群と4mg/kg/日投与群の間で有熱期間に差は認められなかった. 解熱薬の使用回数は, オセルタミビル投与群において有意に減少していた. オセルタミビルを投与した症例における抗菌薬の併用群と非併用群との比較では, 有熱期間, 解熱薬の使用回数に有意差はみられなかった. オセルタミビル投与例の約9%に嘔吐, 腹痛, 易興奮などの症状を認めたが, いずれも軽微であった. この頻度は, 抗ウイルス薬非投与群やアマンタジン投与群に比較して低かった. 以上より, オセルタミビルは小児のインフルエンザに対し有効であり, 副作用も少なく, 抗菌薬や解熱薬の使用を減少させることができるものと考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 77 (11), 971-976, 2003

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (13)*注記

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