対話構造の定量的評価

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  • Quantitative Evaluation on Interactional Stracture of Task-Oriented Dialogues

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抄録

機械翻訳システムあるいは対話システムにおいてある発話を処理する場合、より適切な翻訳/処理結果などを得るためには、その発話が先行するどの発話と関係しているかを考慮することが必要となる。たとえば、ある応答発話「はいそうです」を英語に翻訳する場合、これに対応する先行発話であるyes-no疑問文を発見し、その発話に応じてその呼応関係を考慮して「Yes, I am.」、「Yes, it is.」あるいは「No, you can't.」といった結果を生成する必要がある。従来から対話構造(談話構造あるいは談話セグメント等とよばれている)に関する研究が行なわれている(たとえば[1])。また、このような構造に関して、対話コーパス中の対話について被験者によりセグメントを行ない、この結果を用いた定量的な研究が行なわれている。例えば、Litman & Passonneau[2]は、対話中の談話セグメント境界を発見するための性質とアルゴリズムについて研究している。また、Hirschberg, Nakatani & Grosz[3]は、談話セグメントと韻律情報の関係について研究している。我々は、対話中の発話間の関係(対話構造)を認識する方法を提案している。Litman & Passonneau[2]のアルゴリズムは、セグメント間の境界を発見するのに対して、我々の提案する方法では、対話構造を3階層からなる構造で認識するため構造間の関係を含めて捉えること可能となる。現在、この方法の正当性、有効性あるいは問題点を調査するために、対話コーパスを用いた定量的な評価を行なっている。本稿では、この対話構造に関する定量的評価のための予備調査の結果と照応・省略と対話構造の定量的な関係について報告する。

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被引用文献 (1)*注記

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