マン・マシン・コミュニケーションにおける「友好感情」生起への考察 : (3)レアと思われるケースの分析

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  • Case Study about User Freindly Systems (3)

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抄録

文字を用いたマン・マシン・コミュニケーションにおけるレアと思われるケースを識別し分析しようとした理由を上げる。 (1)心理学の実験においてレアな反応を示す被験者がある。知覚理論などを検証する場合、統計処理により棄却される。調査者は心理学科を卒業しているが、大学1年の時、催眠実験の視覚心象の性質の研究において実験者よりレアな反応データといわれたことがある。何色という反応をする場合に人の着ているシャツの色を言ったのである。心理学者のなかに他者を分析する場合、自己を分析することが大事ということを言う人もいる。本研究において当初50人の被調査者を識別した。ID(アイディンティフィケーション)も一つの識別基準にした。レアなIDの被調査者aを識別したのはテーマに対して無視できない重要な事柄を「レアと思われるケース」が提供するからである。 (2)マン・マシン・コミュニケーションの作業分析を行った。コンピュータの制御卓での作業において各端末と文字によるコミュニケーションを行ったことがある。グループウェアの研究会(平成4年6月26日、於、慶応義塾大学)で確認したのは、制御卓と各端末とのコミュニケーションは会議と似ている面がある,マルチメディアによるコミュニケーション精度を向上させる場合、文字、画像、音声を一緒にした実験をするか、文字、画像、音声の各々の実験により精度向上をはかるか、どちらがよいかという問題であった。グループウェアにおいてコミュニケーションの特徴が分類されているが、本論文に参考にしたのはフォーマル、インフォーマルのそれぞれの特徴である。インフォーマルなコミュニケーションの特徴は、「偶発的、ランダムな参加者、議題はその場で決まる、双方向、豊富な内容、インフォーマルな言語と記録」などが上げられている。 (3)被調査者は面識のある人から識別した。趣味によるIDの設定も入れている。被調査者50人のうち1人が推理小説ゆえに識別された。データ源7,329人中18人(0.25%)が推理小説を趣味と申告している。レアな報告と考えられる。推理小説を選んだ理由は、マン・マシン・コミュニケーションにおいて、識別した被調査者bの制御卓へのメッセージにインテリジェンスを感じさせるものがあった。レアなものであり、蓋然性コミュニケーションがあったのは、推理小説、エスピオナージ愛好の共有部分が調査者とあったからと考えた。出会い後、その人への接近、回避ということを考えると、どの文学作品を被調査者が話題に出したかも影響している。「日本沈没」が記憶に残り、「芽むしり仔撃ち」を回避したケースもある。趣味にSF愛読があるが、文字を用いたマン・マシン・コミュニケーションの場面での出会いがなかったので今回は被調査者に識別しなかった。

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