中心仮説選択法による対話型概念学習

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抄録

対話型の概念学習は,例題からの学習の一形態であり,学習者が自ら例題を選択し,その例題が教師の考える目標概念に属するかどうかを質問することにより学習を進めるものである.このとき,どの様な例題から学習するかが,学習効率や学習結果の質を左右し,その選択手法が重要と言える.対話型学習において学習効率を決定付ける要因は,例題選択のための計算量と学習完了までの質問回数である.つまり,学習効率を向上させるためには,少ない質問回数で学習が可能となる良質の例題を,少ない計算量で選択することが必要となる.これまでに提案されている代表的な例題選択手法として,二分法と保存選択法が知られている.まず,二分法では,最少の質問回数での学習が保証されるものの,その代償として例題選択のための計算量が大きくなっている.一方,保存選択法は,最初に与えられた例題から一般化により仮説を生成しながら,順次,例題を選択していく.生成される仮説が多数ある場合に対しても,一つの仮説のみに着目し,これが検証された際には,他の仮説は棄却されるため,質問回数を比較的抑えることができる.しかしながら,一般化のたびに仮説を生成するため,例えば1回の一般化で生成される仮説が少ないような状況においては,より少ない質問回数で学習できることが推察され,改善の余地が残されている.本稿では,以上のような観点から,より学習効率の向上を目指した中心仮説選択法(Middle Hypothesis Selection Method)を提案する.

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