他者認識能力支援のための協調対話モデル

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タイトル別名
  • A Cooperative Dialogue Model for Supporting Recognizing Ability about a Peer Agent

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抄録

従来の知的学習支援システムの研究は、適応的な知識提供型の個別指導形態に基づくシステムの研究が中心であった。しかし、近年における認知科学の成果から学習の形態や枠組が変化し、学習支援システムの研究にも大きな変化が見られるようになった。ここで、学習の形態や枠組の変化とは、従来の"知識伝達"としての見方から、"学習とは他者や外的世界との相互作用によって生じ、それとは不可分である"という新しい枠組への変換である。これによって、CSCL(Computer Supported Collaborative Learning)やグループ学習のような複数の学習者による協調学習環境の研究が急速に増えてきている[1][3]。本研究は、分散協調学習環境での協調学習の知的支援として、学習者間の相互作用を支援する機能の実現を目的としている。本研究では、協調学習環境として、マルチエージェントシステムの枠組によるコンパニオンエージェント学習環境を構築する。この仲間学習環境では、エージェントの一つとしてコンピュータ・コンパニオンと呼ばれる疑似学習者を組み込むことで、人間学習者に観察やリフレクションといった行為を通して、問題解決能力に関してより深い理解を期待する。さらに本研究では、協調学習環境において必要とされる他者の理解状態、認知過程をモニタリングする他者認識能力の向上の支援を行う。本稿では、人間学習者の他者認識能力の向上を支援するための各エージェントの対話について述べる。

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