エビデンスにもとづいた発達障害支援 : 応用行動分析学の貢献(<特集>エビデンスに基づいた発達障害支援の最先端)

書誌事項

タイトル別名
  • Evidence-Based Supports for Persons with Developmental Disabilities : Contribution of Applied Behavior Analysis(<Special article>Forefront of Evidence-Based Behavioral Support for Persons With Developmental Disabilities)
  • エビデンスにもとづいた発達障害支援--応用行動分析学の貢献
  • エビデンス ニ モトズイタ ハッタツ ショウガイ シエン オウヨウ コウドウ ブンセキガク ノ コウケン

この論文をさがす

抄録

本論文では、2004年にわが国で制定された「発達障害者支援法」が示している発達障害への支援のありかたについて、応用行動分析学がどのように貢献できるかを概説した。応用行動分析学のもつ「科学性」と「包括性」を整理し、それが、「発達障害者支援法」にうたわれている理念に一致していることを指摘した。次に、「自閉性障害」「注意欠陥/多動性障害」「学習障害」をとりあげて、以下の点についてエビデンスにもとづく支援方法を吟味した。(1)それぞれの発達障害にはどのような特徴があるか?(2)科学的な発達支援方法がどのように明らかにされてきたか?(3)より大きな支援プログラムがどのようにつくられ、その効果が大規模研究によってどのように分析されてきたか?(4)そのような研究を基盤にして、どのように支援ガイドラインが提示されてきたか?(5)様々な特徴をもつ個人に対して、様々な実践現場で活用するために、新たな研究と実践がどのように発展してきたか?その結果、研究成果を受けてガイドラインが提示され、ガイドラインをさまざまなニーズをもつ個人に適用するための方法が開発され、さらに新たな支援成果が蓄積される、という一連の発達支援の発展を抽出した。研究というのは、研究そのもので完結するのではなく、支援そのものの質の向上を促すための必要条件であることを示し、今後の研究課題を討議した。

収録刊行物

  • 行動分析学研究

    行動分析学研究 23 (1), 46-70, 2009

    一般社団法人 日本行動分析学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ