気管支炎に対するOfloxacin (DL-8280) とCefaclorの薬効比較試験成績

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タイトル別名
  • Comparative Clinical Study of Ofloxacin and Cefaclor in Bacterial Bronchitis
  • キカンシエン ニ タイスル Ofloxacin DL 8280 ト Cefac

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抄録

新しいpyridonecarboxylic acid系経口合成抗菌剤ofloxacin (OFLX; DL-8280) の細菌性気管支炎に対する有効性と安全性ならびに有用性を客観的に評価する目的でcefaclor (CCL) を対照薬として二重盲検試験により比較検討した. OFLXは1日600mg (1回200mg, 1日3回), CCLは1日750mg (1回250mg, 1日3回) 14日間経口投与した結果, 以下の成績を得た.<BR>1. 小委員会判定による臨床効果は, OFLX群103例で79.6%, CCL群105例で57.1%の有効率であり, OFLX群が有意に優れていた (p<0.001). 疾患群別にみると急性気管支炎に対する有効率は, OFLX群15例86.7%, CCL群21例85.7%であり, 両薬剤群間に有意な差は認められなかった. 一方, 慢性気管支炎群においては, OFLX群88例78.4%, CCL群84例50.0%であり, OFLX群が有意に優れていた (p<0.001).<BR>2. 主治医判定による臨床効果は, 小委員会判定と同様であった.<BR>3. 細菌学的効果を, 小委員会判定による起炎菌別消失率でみると, OFLX群61株90.2%, CCL群70株50.0%であり, OFLX群が有意に優れていた. 個々の菌別に消失率をみるとH. influenzaeuenzae に対し, OFLX群22株で100%, CCL群24株で45.8%, K. pneumoniaeに対し, OFLX群5株で100%, CCL群6株で16.7%といずれもOFLX群が有意に優れていた (それぞれp<0.001, p<0.05).<BR>4. 副作用あるいは, 臨床検査値異常の発現率においては, 両薬剤群間に有意な差を認められなかった.<BR>5. 有用性を満足率でみると, 小委員会判定ではOFLX群107例75.7%, CCL群110例52.7%, 主治医判定では, OFLX群68.9%, CCL群43.0%であり, いずれもOFLX群が有意に優れていた (p<0.001).<BR>以上の成績より, OFLXは細菌性気管支炎に対して臨床的有用性の高い薬剤であることが確認された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 58 (9), 832-861, 1984

    一般社団法人 日本感染症学会

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