緑膿菌実験感染症に対するアミノ配糖体とβ-ラクタムの投与方法と併用療法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Studies of Dosing Regimens and Combination Effects of Aminoglycosides and β-lactam in an Experimental <I>Pseudomonas aeruginosa</I> Infection in Mice
  • リョクノウキン ジッケン カンセンショウ ニ タイスル アミノ ハイトウタイ
  • Studies of Dosing Regimens and Combination Effects of Aminoglycosides and ^|^beta;-lactam in an Experimental Pseudomonas aeruginosa Infection in Mice

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抄録

マウス緑膿菌大腿実験感染症に対するgentamicin (GM), astromicin (ASTM) とpiperacillin (PIPC) の投与方法および併用療法の検討を行った.<BR>GM, ASTMは単独1回投与では投与量依存性に治療効果が増大し, postantibiotic effect (PAE) を延長させたが, PIPCは単独1回投与では投与量依存性の治療効果を呈さず, PAEも存在しなかった.<BR>24時間に投与する薬剤量を一定とした投与間隔の検討ではGM, ASTMは投与間隔を長くした場合, およびPIPCは投与間隔を短くした場合にそれぞれ良好な治療効果が得られた. GM, ASTMは初回殺菌効果が, PIPCはMIC以上の血中濃度持続時間が治療効果と相関していた. GM, ASTMと PIPC の併用療法では, GM, ASTMの投与間隔をあけた投与法とPIPCの頻回投与の組み合わせが良好な治療効果を呈した.<BR>GM, ASTMとPIPCの12時間間隔投与の組み合わせによる併用療法で投与順序を前後させた検討では同時投与の治療効果が最も優れており, PIPCを先行した場合にはGM, ASTMの殺菌効果が抑えられ治療効果の劣る結果が得られた.<BR>緑膿菌感染に対するアミノ配糖体とβ-ラクタム治療は投与法により効果が異なること, および両者の併用療法では個々の投与法のみならず投与順序が治療効果に影響を与えることはより効率のよい抗菌剤治療を行うために臨床上考慮せねばならない問題である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (2), 216-225, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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