ブラジルの小児下痢症患者からの腸管付着性大腸菌 (局在性) の検出と分離菌の血清型

書誌事項

タイトル別名
  • Enteroadherent Escherichia coli Exhibiting Localized Pattern of Adherence among Infants with Diarrhoea in Brazil
  • ブラジルの小児下痢患者からの腸管付着性大腸菌(局在性)の検出と分離菌の血清型
  • ブラジル ノ ショウニ ゲリ カンジャ カラ ノ チョウカン フチャクセイ ダ
  • Incidence and Prevalence of Serotypes

この論文をさがす

抄録

付着性大腸菌 (局在性) の検出をNataro et al.が報告したDNA (EAF) プローブを用いたコロニーハイブリダイゼーション法で試み, HeLa細胞への付着性と比較した結果, EAFプローブ法は感受性, 特難において培養細胞付着性を調べる方法と比べて遜色なかった.そこで, ブラジルの小児下痢症患者および健康者おのおの126名を対象に, 付着性大腸菌の検出を試みた.EAF陽性の大腸菌は下痢症患者のうち29名 (23.0%), 健康者のうち15名 (11.9%) から検出されたが, そのうちのおのおの23名 (18.3%), 7名 (5.6%) から分離されたEAF陽性菌をまEPECの血清型に属するものであった.そのため, EAF陽性でEPECの血清型に属する大腸菌は下痢症との関連性が深いものと想像された.検出頻度の高い血清型は055: H-, O111: H2, O119: H6であるが, これらはすべてEPECの血清型嘱するもので, そのなかでも0111: H2は下痢症患者のみに検出されたため, 他の血清型に比べて病原性が強いと思われる.また, EAF陽性でEPECの血清型に属さないが, 検出頻度が高かったO88: H25は下痢原性が疑われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 66 (11), 1538-1542, 1992

    一般社団法人 日本感染症学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ