檻のなかの子 : 憎悪にとらわれた少年の物語
著者
書誌事項
檻のなかの子 : 憎悪にとらわれた少年の物語
早川書房, 1997.9
- タイトル別名
-
Murphy's boy
- タイトル読み
-
オリ ノ ナカ ノ コ : ゾウオ ニ トラワレタ ショウネン ノ モノガタリ
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内容説明・目次
内容説明
8年間、だれとも口をきかず、日中ずっと児童養護施設の机の下でおびえている15歳の恐怖症の少年ケヴィン。ひとたび恐怖心が爆発すると、猛獣のように暴れまわり、周囲や自分を傷つける。180センチほどもあるこの少年を、セラピストのトリイは心底、恐ろしいと感じることがあった。ふたりで机の下にもぐっての長い努力のすえ、ついにケヴィンは言葉を発し、あらゆる症状が快方に向かった。が、ある日、ケヴィンが描いた一枚の絵を見てトリイは仰天した。それはあまりに精密で写真のようにリアルだった—男が腹を裂かれ、路上に腸をぶちまけられ、死肉をカラスがついばんでいる…彼が心の奥に封じ込めていた激しい憎悪が解き放たれたのだ。そして、彼自身と妹たちが義父から受けてきた、おぞましい虐待の事実がひとつずつ明らかになっていく。一時はすっかり治ったように見え、トリイの手をはなれたケヴィンだったが、その後、傷害事件を起こし、精神病院や感化院へと送られてしまう。怒りと憎しみの虜となった少年に、救いの道はないのか。
「BOOKデータベース」 より