鹿目尚志作品蔵 : 「カ」
著者
書誌事項
鹿目尚志作品蔵 : 「カ」
六耀社, 1998.9
- タイトル別名
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鹿目尚志作品蔵 : カ
- タイトル読み
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カノメ タカシ サクヒンゾウ : カ
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内容説明・目次
内容説明
本書に収められた鹿目作品を眺めていて感じることは、そのひとつひとつに込められた彼の“情念”のようなものであり、それらは、実よりも虚、正より負、長調(メジャー)よりも短調(マイナー)、明より暗、光よりも影、生より死、などに傾斜するように見える。このことは、青春の初め、ロシア文学(特にドストエフスキー)に傾倒しフランス文学を愛し、後にカミュやカフカの世界に魅入られていった彼の、その心性にこもる深い陰翳と無縁ではないと思われる。鹿目の内面に潜在する、この文学的な“核”の造形化とも見える作品群は、素材や方法の如何を問わずその形象が有機的・生物学的(?)であり、見方を換えれば抽象度の高い熱い具象の魅力に溢れていて、時に凄みさえ覚えさせる存在感を持つ。『“包む”という行為の大きさと恐ろしさを身にしみて感じている。宇宙が、人生が、生活が…と考えていけば、もはやすべてのものが包み込まれてしまう』と、あらゆる事象を“パッケージ”という概念に帰納させずにおかない鹿目哲学、その芽生えはデザイン事務所での日常的な作業のなかで懐胎されたのだろうが、今やその意識が彼の造形世界の総てを満たしているのだろうか。
目次
- 飼育
- 時を失った空間
- 退屈な日々
- 泡
- 幽閉
- 殺意
- 縛る
- 拘束
- アル虫類A
- アル虫類B〔ほか〕
「BOOKデータベース」 より