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映画とロックンロールにおいてアメリカと合衆国はいかに闘ったか

樋口泰人著

青土社, 1999.3

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映画とロックンロールにおいてアメリカと合衆国はいかに闘ったか

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Description and Table of Contents

Description

ロバート・ジョンスンが歌った「ラヴ・イン・ヴェイン」を、カヴァーしたキース・リチャーズは、次のように語っている。「二本のギターが聞こえてね。ジョンスンがまったくひとりでやっているのだったことに気がつくまで、かなり時間がかかったね」ジョンスンが多くのミュージシャンたちを虜にしている秘密は、この言葉に集約されるように思う。彼の演奏は、まるでふたりの演奏者が演奏しているように聞こえるのである。つまりそこには、互いに相容れない音が、同居しているということなのだ。彼の「罪の意識」はあくまでも外部にあるものとして、彼の内部に存在しているのである。つまりそれは、ジョンスンの意識が作り出した仮想の存在ではなく、仮想的とした言えないような形でしかし確実に存在しているのである。それが「アメリカ」である。本書に記されるのは、そんな「アメリカ」の物語である。

Table of Contents

  • 「アメリカ」対「合衆国」(パーフェクト・ワールド—クリント・イーストウッドはいかにしてアメリカから「外部」を消し去ったか;ケチャップの染みのような血—「アメリカの影」ジョン・カサヴェテスの「レアリスム」はいつ生まれたか;モンスターとしてのアメリカ—ロバート・アルトマンの「上の空」に宿った「観念」とは何か ほか)
  • 世界の涯て(床下の残響装置—「かつて在りし人びと」の声を聞き取る「新しい天使」とはだれか;筋肉とまなざし—ロックンロールはいかにして映画を「イメージ」から救ったか;終わらない終わりの終わり—「工場」が閉じられたとき、「夢」はどこへ行ったか;CGによるジョン・フォード—映画は映画でなくなってもなぜ生きていけるのか)
  • アメリカは呼んでいる—あとがきにかえて

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