市場経済化の法社会学
著者
書誌事項
市場経済化の法社会学
有信堂高文社, 2001.1
- タイトル別名
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市場経済化の法社会学
- タイトル読み
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シジョウ ケイザイカ ノ ホウ シャカイガク
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内容説明・目次
内容説明
本書の第1章「取引法における社会主義の遺産」は、セルビアを中心とする新ユーゴスラビアにおける不動産取引法を素材に、法規範の分析を裁判例によって補いながら、脱社会主義の前と後における連続と転換の諸相を検証している。第2章「ポーランド国民投資基金法の成立過程」が扱っているのは、国有企業の私有化という資本主義的市場経済化における中心的な問題である。ここでは、私有化が、誰を新たな所有者として想定するかという、すぐれて社会的・政治的な性格をもつ論点であるという観点から、全市民を所有者にすることを標榜した国民投資基金法が構想され、議会審議をつうじて修正されながら成立するまでの過程が、国際的背景をも踏まえて追跡されている。第3章「ロシアにおける住宅の商品化と住宅保障」は、住宅の私有化を軸としながら多面的に展開された住宅政策を貫通する論理を「住宅の商品化」ととらえ、そのような政策が形成される背景と、実施の途上で変容を遂げてゆく事情を明らかにしたうえで、政策において意図されたことがどの程度実現されたかを実証的に分析したものである。第4章「ロシアにおける報道の自由の展開」は、党と国家による支配から解放されたはずのマスメディアが、今度は「資本の論理」によって規制されるだけではなく、改めて「国家の論理」からの統制をも受けるという複雑な環境に投げ込まれている姿を描いている。第5章「中国における市場化による『司法』の析出」は、市場経済化に伴う民事事件の質と量の変化がもたらす因果の連鎖をたどり、さしあたり訴訟の効率化と不公正な裁判にたいする批判への応答という経路をとおって訴訟構造の当事者主義化を促している現状を明らかにしている。そこからさらに、手続的正義論という中国にとって文明史的な意味をもつ思考様式の転換につながる問題提起を伴いながら、裁判官の独立への要請をつうじて共産党の指導性という体制原理の問い直しへ行きつく可能性をも展望している。
目次
- 第1章 取引法における社会主義の遺産—新ユーゴの不動産取引を例にして
- 第2章 ポーランド国民投資基金法の成立過程—全市民的私有化の政治的文脈
- 第3章 ロシアにおける住宅の商品化と住宅保障
- 第4章 ロシアにおける報道の自由の展開—国家の論理と資本の論理
- 第5章 中国における市場化による「司法」の析出—法院の実態、改革、構想の諸相
「BOOKデータベース」 より