異神
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異神
(ちくま学芸文庫)
筑摩書房, 2003.6-7
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イシン
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内容説明・目次
- 巻冊次
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上 ISBN 9784480087683
内容説明
“異神”とはなんの謂いか。新羅明神に赤山明神、摩多羅神、宇賀神、牛頭天王…。耳慣れぬ異貌の神々。装いもそれぞれに中世密教の中枢に鎮座しながら、由来は神話中の神とも仏教典中の仏とも明かさず、あるいは祟りをなし、習合と変容を繰り返し、偽経中に生き延びるマジカル・フィギュア、第三の尊格たちの闇を探る。上巻は新羅明神と摩多羅神の周辺。唐山・新羅から院政前夜の叡山に来臨した新羅明神には、その由来から寺門対山門、寺門対王法の拮抗の歴史的契機をうかがい、摩多羅神には天台常行三昧行の守護神、修正会・延年舞における芸能神、本尊たる玄旨帰命壇における秘義潅頂の諸相まで、異神の来歴と変貌の現場をつぶさに解明する。
目次
- 第1章 異神と王権—頼豪説話をめぐって(『平家物語』頼豪説話の構成とモティーフ;呪殺された王—後三条天皇崩御譚;頼豪説話の成立;鼠の秀倉譚 ほか)
- 第2章 摩多羅神の姿態変換—修行・芸能・秘儀(謎の神・摩多羅神;叡山常行堂と摩多羅神;秘儀と摩多羅神—摩怛利神法と玄旨潅頂の世界;修正会のなかの摩多羅神—秘法相伝と摩多羅神の「顕夜」 ほか)
- 巻冊次
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下 ISBN 9784480087690
内容説明
下巻幕開けは、翁頭蛇体をもって大弁才天のほの暗い頭上に蟠踞する宇賀神の秘密に肉薄する。口伝と儀軌の迷路からうかびあがる叡山潅頂の秘儀は白眉の一章。そして掉尾を飾る祭文世界。みさきたなびく牛頭天王と懼れられ、八万四千の使尊眷属を先触れに天竺より飛来し、龍宮を経て本朝をさすらいわたる流浪の行疫神の相貌。偽稗の古代に天照大神との競合に敗れ、中世を経て江戸の末まで闇に鎮送されながら生き延び、時を経て再びの出世をうかがう異神。宗教史・芸能史・民俗学の閾を自在に跳びわたりつつ、おびただしい文書の博捜と今日に生き残る祭神儀礼の闇から、中世の空間に響きわたった神々の哄笑を召還する渾身の力作。
目次
- 第3章 宇賀神—異貌の弁才天女(『渓嵐拾葉集』と二種の弁才天;宇賀神経と荒神祭文;『弁才天修儀』の儀礼宇宙—行法と口伝をめぐって;弁才天潅頂—戒家相承の弁才天と如意宝珠をめぐって;「如意宝珠王」の彼方へ;戒家と大黒天—大黒天法と戒潅頂をめぐって)
- 第4章 行疫神・牛頭天王—祭文と送却儀礼をめぐって(「牛頭天王島渡り」祭文と祇園縁起;「牛頭天王島渡り」祭文の世界;津島の牛頭天王信仰と御葦流し;「みさきたなびく牛頭天王…」)
「BOOKデータベース」 より