谷崎潤一郎 : 深層のレトリック

書誌事項

谷崎潤一郎 : 深層のレトリック

細江光著

(近代文学研究叢刊, 28)

和泉書院, 2004.3

タイトル別名

谷崎潤一郎深層のレトリック

タイトル読み

タニザキ ジュンイチロウ : シンソウ ノ レトリック

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内容説明・目次

内容説明

谷崎文学には、数多くの謎がある。エディプス・コンプレックス、マゾヒズム、フェティシズム、窃視症、糞尿愛、女性化願望など、異常性欲と異常心理。江戸っ子でありながら、関西を愛するようになったこと。西洋崇拝・イデア論から日本回帰し、また西洋崇拝に戻ったこと。また、谷崎には、二重人格的な所があり、立派な紳士である面と幼児退行願望、極めて真面目・律儀な面と、悪への誘惑に抵抗できない面、明るく積極的・享楽的・貪欲な面と、暗く憂鬱で死の恐怖に苛まれていた面があった事実、などなど。本書は、これらの傾向が、潤一郎の幼少期における父母との葛藤からどのように発生し、個々の作品、表現の細部に現われているのかを、系統的に分類・整理し、深層心理学的に跡付けることに成功している。同時に本書は、谷崎が、巧みなイメージ操作で読者の無意識に働きかける優れた芸術的テクニック(「深層のレトリック」)の秘密をも、解き明かしてくれているのである。

目次

  • 第1編 作家論編(谷崎文学の心理的メカニズム—共時的横断的研究;谷崎文学の心理的メカニスム—通時的縦断的研究;作家特殊研究)
  • 第2編 作品論編(谷崎作品の深層構造;作品特殊研究)

「BOOKデータベース」 より

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