ニーチェと悪循環
著者
書誌事項
ニーチェと悪循環
(ちくま学芸文庫, [ク-11-1])
筑摩書房, 2004.10
- タイトル別名
-
Nietzsche et le cercle vicieux
- タイトル読み
-
ニーチェ ト アクジュンカン
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注記
原著(Paris : Mercure de France, 1969)の全訳
哲学書房刊(1989.2)に修正を加えたもの
邦文参考文献: p535
内容説明・目次
内容説明
妻の肉体を次々と客人に提供するという衝撃的な小説三部作『歓待の掟』(1953‐60年)で欲動の共同体を望見したクロソウスキーが、フランスにおける有力なニーチェの翻訳者・研究家の一人として68年5月直後のフランス思想界に投じた、驚嘆すべきニーチェ論。人格の同一性の下にざわめく言語以前の無数の欲動、すなわち強度の解放という本書の提示した光によって、ニーチェの悲劇的生と思想はまったくあらたな相貌を明らかにする。大小の断片を積み重ね、自在な引用をつむいでゆく、それ自体破天荒で啓示的な反‐論述は、21世紀の今も誇らしく異端的な地位を失っていない。優れた翻訳による、みずみずしく真に独創的なニーチェ論の蘇り。
目次
- 文化との闘い
- 欲動の記号論の起源としての病的諸状態
- 永劫回帰の体験
- 頽廃、躍動、集団、個別的ケース—四つの基準の起源としての病的諸状態
- 永劫回帰の科学的説明の試み
- 選別の教説としての悪循環・永劫回帰の政治的ヴァージョン・悪循環の陰謀
- 父の亡霊との対面
- 病者によるもっとも美しき発明
- トリノの陶酔
- ニーチェの記号論に関する付記
「BOOKデータベース」 より