蛍火
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蛍火
講談社, 2004.6
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ホタルビ
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注記
参考文献・資料: 巻末
内容説明・目次
内容説明
消せない過去、日々の溜息が、布目にからみつく。北の街の夕暮れどきに、「ちぎり屋」と「染み抜き屋」の灯がともる。芸妓から成島屋の御内儀に納まった紫乃が持ち込んだ、男物の紋付羽織。結び雁金の紋所は、かつての恋が、紫乃の心に染みになって残っていると告げているように、つるには思えた。「こういう染みって、素人でも抜けるものですか」紫乃の言葉に、つるの胸の底で赤黒い炎が大きく揺れた。身の裡のほとぼりを鎮めるために、つるは一人、おもんの「ちぎり屋」の暖簾をくぐった—「徳壺」より。他の収録作「星月夜」「十色の虹」「花魁鴨」「蛍火」。
「BOOKデータベース」 より