クレー《大はしゃぎ》 : 芸術家としての実存の寓意
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クレー《大はしゃぎ》 : 芸術家としての実存の寓意
(作品とコンテクスト)
三元社, 2009.2
- : 新装版
- Other Title
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Paul Klee, Übermut : Allegorie der künstlerischen Existenz
クレー大はしゃぎ
- Title Transcription
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クレー オオハシャギ : ゲイジュツカ トシテノ ジツゾン ノ グウイ
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Note
原著(Frankfurt am Main : Fischer Taschenbuch Verlag, 1990)の全訳
折り込図1枚
注: p122-126
クレーの生涯に関する年表: p127-129
精選参考文献(注釈付): p130-135
Description and Table of Contents
Description
「Diesseitig bin ich gar nichit faβbar(この世からは、私は全く理解されない)」、とパウル・クレーは文学的で洗練された表現を用いて自己を評価している。それは、クレー自らが人々に伝えた、世界に対する超然的態度の表明である。そしてこの態度に、彼は世界的に認められた芸術家としての名声を決定的に負っている。それにもかかわらず現実と関わろうとする意識、それが彼の創造性を際だったものであると同時にアクチュアルなものにしているのだが、それを認識し評価している者はほんのわずかしかいない。危機の時代における近代芸術の目的を、クレーは、演劇の領域やサーカスの世界の人物像を通じて、象徴的にイメージ化するのが常であった。第二次世界大戦勃発後スイスに亡命した彼は、最後に自己の芸術が持つ目的について自問した。そして彼は綱渡り師という象徴を拠り所とし、作品『大はしゃぎ』を制作したのである。歴史に対峙し狼狽しつつも、その中で自らの芸術家としての展開を想起すること、まさにその過程において、芸術家としての自己理解に向けられた問に対する解答が存在している。
Table of Contents
- 現代史に関する意識
- 緊張をはらむイメージの力学
- 危うい綱渡り
- 歴史風刺の伝統
- 世界を超越した視点からの統合
- 襲いかかる戦争
- 寓意的な戦争イメージの類型
- 死を告げる太鼓
- 芸術の理想の疑わしさ
- 悲劇的な自己主張
- 歴史風刺の楽観主義
- 戦争と芸術
- クレー芸術の行方
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