宋学の西遷 : 近代啓蒙への道

書誌事項

宋学の西遷 : 近代啓蒙への道

井川義次著

人文書院, 2009.12

タイトル別名

宋学 (そうがく) の西遷 (せいせん) : 近代啓蒙への道

タイトル読み

ソウ ガク ノ セイセン : キンダイ ケイモウ エノ ミチ

注記

博士学位請求論文 (筑波大学, 2009年) をもとにしたもの

参考文献: p511-528

内容説明・目次

内容説明

16世紀から18世紀にかけてのイエズス会士による中国思想情報は、近代ヨーロッパ理性の形成においてきわめて大きな役割をはたしていた。本書では、ルイ14世の後押しをうけた宣教師クプレ、人文主義者ノエルによる儒教文献のラテン語訳を、中国語原典と丹念に照らし合わせて実証する。実は、宋明の儒教のうちには、神の「要請」なしに理性の自律的な純粋作用が存在しうること、当時ドイツ啓蒙のリーダーであったヴォルフの理想に照応しうる理念が、先在・潜在していた。さらには彼はフリードリッヒ大王から敬意をうけ、ライプニッツとカントをつなぐ人物でもあった。中国思想に影響をうけたヴォルフの哲学は、啓蒙理性の時代の知識人に広く感染流行し、近代啓蒙のプロトタイプとなる。儒教思想のヨーロッパ受容を、厳密なテクストクリティークによって検証する労作。

目次

  • 第1部 クプレ『中国の哲学者孔子』の中国哲学観(『中国の哲学者孔子』「序説」について;『中国の哲学者孔子』の儒教古典解釈)
  • 第2部 ノエル『中華帝国の六古典』の儒教倫理称揚(『中華帝国の六古典』の儒教古典解釈)
  • 第3部 ヴォルフ—ヨーロッパ啓蒙への儒教インパクト(『中国実践哲学講演』)

「BOOKデータベース」 より

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