カント哲学試論
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カント哲学試論
知泉書館, 2009.12
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カント テツガク シロン
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Description and Table of Contents
Description
“形而上学”という視点から『純粋理性批判』を総合的に考察、カント哲学の核心に挑む意欲的な試みである。『純粋理性批判』を一体的でヴェクトルをもった作品として読む独自の方法により、重要概念を吟味するとともにカントのメッセージを形而上学のカテゴリーとの関係から掘り下げ、さらに自然神学批判がカントの世界理解に対してもつ意味を神の存在証明を通して解明する。次に哲学史との関連で、カントとドイツ講壇哲学やニュートン、バークリ、ライプニッツ、スピノザとの接触が、カント哲学の形成と解明にどのように還元されるかを分析し、また1930年代に全貌を現したカントの『遺稿』はカントがそれまでの哲学史と自身の哲学を結びつける努力であり、「超越論哲学の最高点」と『純粋理性批判』の“完成”を目指したものであることを明らかにする。さらに平和、歴史、神など理論哲学以外のテーマを『純粋理性批判』との連関で捉えることにより、啓蒙主義者カントの背景に形而上学者カントを読み取る。最後にこれら一連のカント考察の結果、19世紀に確立した既存の近世哲学史にカント哲学が収まらないとして新たな哲学史像を提案、カント哲学の現在を示す。
Table of Contents
- 1 (形而上学としてのカント哲学—前批判期から『遺稿』へ)
- 2 (物自体と『純粋理性批判』の方法;理性と超越論的観念性;カントの可能性概念;カントにおける自然神学の終焉とその意義)
- 3 (存在論としての「アプリオリな綜合判断」;カントにおける自然学と形而上学—その連関の一断面;バークリとカント 「抽象的一般観念」をめぐって;カント哲学における「経験」概念について;カントの“Opus postumum”の哲学史的位置について)
- 4 (批判哲学としての永遠平和論—カント永遠平和論研究序説;『純粋理性批判』における歴史の問題;カント哲学における神の問題)
- 5 (近世哲学とはなにか—新しい哲学史像のために)
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