寛容とは何か : 思想史的考察
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寛容とは何か : 思想史的考察
工作舎, 2018.3
- タイトル読み
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カンヨウ トワ ナニカ : シソウシテキ コウサツ
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内容説明・目次
内容説明
一七世紀、カトリックとプロテスタントの宗教対立が続くイギリスで「政教分離」を唱えたジョン・ロックから、ピエール・ベールの「他者」の視点、ライプニッツの「新旧両教会合同」計画、ヴォルテールと「カラス事件」、レッシングの『賢人ナータン』、マルクスによる「国家と宗教」、そして日本における内村鑑三不敬事件、中野重治の「転向」まで、著者は寛容思想の系譜を丹念に辿りながら、現代の我々に問いを投げかける。様々な対立が生み出す不寛容が世界を引き裂こうとしている現代、寛容(tol´erance)は、果たして共生の原理たりうるのだろうか。著者がライフワークとして取り組んだ、寛容思想研究の集大成の書。
目次
- 第1部 近代西欧における寛容思想の展開(政教分離の思想的基礎づけ(ジョン・ロックの『寛容についての書簡』を中心に);相互的寛容への隘路(ピエール・ベール論覚書);一七世紀西欧における教会合同の試み(ライプニッツとボシュエとの往復書簡に関する一考察);“狂信”と“理性”(ヴォルテール『寛容論』再考);党派性の克服はいかにして可能か(レッシング『賢人ナータン』を中心に))
- 第2部 宗教・国家・市民社会の近代的構造連関と帝国憲法下の不寛容との闘い(国家と宗教(カール・マルクス「ユダヤ人問題によせて」に関する試論);明治期の政治・宗教・教育(「内村鑑三不敬事件」と「教育と宗教の衝突」論争を中心に);一九三〇年代の日本における「転向」の一様相(文学者中野重治の軌跡);寛容は共存の原理たりうるか(ザルカ「寛容、あるいは共存の仕方」に寄せて))
- 特別寄稿 福島清紀氏の思想研究(法政哲学会をめぐって)(澤田直)
「BOOKデータベース」 より