井筒俊彦の比較哲学 : 神的なものと社会的なものの争い
著者
書誌事項
井筒俊彦の比較哲学 : 神的なものと社会的なものの争い
知泉書館, 2019.2
- タイトル別名
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Toshihiko Izutsu's comparative philosophy : a conflict between the social and the divine
- タイトル読み
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イズツ トシヒコ ノ ヒカク テツガク : シンテキナ モノ ト シャカイテキナ モノ ノ アラソイ
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注記
その他のタイトルは巻末英文要旨による
引用・参考文献表: p[273]-280
付録: p282-297
内容説明・目次
内容説明
井筒は10年に及ぶイラン滞在中に、12イマーム・シーア派世界のヒクマ哲学とイルファーン神智学の研究に従事、それらを融合・発展させ、12イマーム・シーア派神学の煩瑣哲学の問題を現代に適合させ、独自の業績をあげて尊敬された。本書は井筒の学問に傾倒した著者が、来日して井筒の比較哲学の研究に没頭した成果である。著者はフーコーの「知と権力の関係」やサイードの「オリエンタリズム」の考えを踏まえ、井筒の比較哲学を考察する。第1部はトインビーの文明論やマッソン=ウルセルの比較哲学を通して、比較哲学の必要性と政治的・社会的現実との連動関係を分析する。第2部では、井筒に影響を与えたアンリ・コルバンの思想を検討し、井筒の比較思想の意義を解明する。第3部は井筒とコルバンにおける比較哲学の政治的・社会的次元と認識論的問題を考察するため、オリエンタリズムと「反対のオリエンタリズム」の意味を検討、イラン革命と井筒の比較哲学との関連にも言及する。本書は比較哲学の背後で働く社会的・政治的事象との関連で井筒比較哲学を読み直した意欲的な業績である。
目次
- 第1部 比較哲学の本質とそれがもたらす結果(比較哲学の目的と業務;比較哲学の必然性と政治的・社会的基盤—比較哲学の本質;比較哲学に対する批判—比較哲学のもたらす結果)
- 第2部 井筒比較哲学の意義—神的なものをめぐって(「歴史を超える対話」への根拠;井筒の歴史的方法論;マッソン=ウルセルの比較哲学と井筒の方法論;「歴史を超える対話」とは何か—アンリ・コルバンの比較 哲学と井筒の方法論)
- 第3部 神的なものと社会的なものの争い—超歴史における伝統を探求して(井筒と政治;イスラーム改革主義者との関係;反対のオリエンタリズム—井筒比較哲学と世俗主義;伝統復興と反対のオリエンタリズム;イラン革命と井筒比較哲学—その認識論的な問題と帰結)
「BOOKデータベース」 より