「巻き込まれる」当事者研究
著者
書誌事項
「巻き込まれる」当事者研究
(ケア論 / 中井孝章著, 3)
日本教育研究センター, 2020.2
- タイトル別名
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巻き込まれる当事者研究
- タイトル読み
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「マキコマレル」トウジシャ ケンキュウ
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注記
文献: p125-128
内容説明・目次
内容説明
本書では、当事者学研究の中でも、当事者学自身が何らかの被害に「巻き込まれる」ことから脱して、回復への途を模索する上で有益なモデルを複数、提起している。本書で最初に登場するのは、暴力依存症当事者である。通常の「能動態/受動態」の世界であれば、暴力は当事者自身の意志に基づく行為であることから責任の所在は明確であるが、依存症の人は通常の司法的言語の世界には棲んでいないことから、これとは別の世界、すなわち「能動態/中動態」の世界で彼らを理解するとともに、そうした当事者に適合した回復への方途が求められる。次に、レイプ被害者らのように、苛酷なトラウマを抱える当事者およびその関係者(特に、支援者)は、自らのポジショナリティを認識しつつ、回復への方途を探る上で、三次元空間から成る環状島モデルが有用である。本書では、それ以外にも、他者からの視線恐怖や脳死・臓器移植問題に「巻き込まれた」当事者あるいは近親者の回復に向けての方途について言及している。
目次
- 1 暴力依存に「巻き込まれる」当事者研究(べてるの家での認知行動療法とその特徴;河崎さんの「爆発研究」 ほか)
- 2 トラウマに「巻き込まれる」当事者研究と環状島モデル(トラウマとは何か;三次元立体空間としての環状島モデル ほか)
- 3 他者のまなざしに「巻き込まれる」当事者研究(被害妄想の事例;視線恐怖の精神病理学 ほか)
- 4 「巻き込まれる」当事者の家族からみた「脳死・臓器移植」問題(医療人類学の研究対象としての「脳死・臓器移植」問題;脳死とは何か ほか)
「BOOKデータベース」 より