「価値を否定された人々」 : ナチス・ドイツの強制断種と「安楽死」
著者
書誌事項
「価値を否定された人々」 : ナチス・ドイツの強制断種と「安楽死」
新評論, 2021.10
- タイトル別名
-
"Vernichtung lebensunwerten Lebens" : Zwangssterilisation und "Euthanasie" im Nationalsozialismus
価値を否定された人々 : ナチスドイツの強制断種と安楽死
- タイトル読み
-
「カチ オ ヒテイ サレタ ヒトビト」 : ナチス・ドイツ ノ キョウセイ ダンシュ ト 「アンラクシ」
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注記
その他の著者: 木畑和子, 梅原秀元, 紀愛子
主要参考文献: p302-322
事項索引: p324-328
人名索引: p329-330
収録内容
- 序
- 優生学とナチス・ドイツの強制断種手術 / 木畑和子著
- 「安楽死」という名の大量虐殺 : その始まりと展開 / 梅原秀元著
- 「安楽死」の犠牲者 : バイエルン地方のある精神病院の事例から / 中野智世著
- 強制断種・「安楽死」の過去と戦後ドイツ / 紀愛子著
- 結
内容説明・目次
内容説明
本書は、ナチス・ドイツの強制断種政策と「安楽死」の歴史を、最新の研究成果に基づいて明らかにしようとする試みである。ナチ体制下のドイツでは、ユダヤ人のみならず、病気や障害のある人々、社会規範に逸脱すると見なされた人々が、優生学を背景とする政策によって「価値のない」「社会の負担となる」存在として強制的に断種(不妊化)され、戦時下においては秘密裡に殺害されていた。これらの措置の犠牲になった人々の数は、強制断種が四〇万人、「安楽死」が三〇万人とされている。本書は、この事象の計画や実行のプロセス、思想的背景、加害者となった医療や福祉関係者、および犠牲者とその家族の姿などを描くとともに、この問題が長きにわたる忘却と隠蔽の時代を経て、近年ようやく「ナチの不正」として謝罪と補償、そして追悼の対象となるまでの道のりを明らかにする。
目次
- 第1章 優生学とナチス・ドイツの強制断種手術(優生学とは;ヴァイマル共和国時代の優生学 ほか)
- 第2章 「安楽死」という名の大量虐殺—その始まりと展開(「良い死」と大量殺害—安楽死という言葉をめぐって;さまざまな殺害—ナチスによる「安楽死」の概観 ほか)
- 第3章 「安楽死」の犠牲者—バイエルン地方のある精神病院の事例から(エグルフィング・ハール精神病院;「安楽死」の展開と犠牲者の経験 ほか)
- 第4章 強制断種・「安楽死」の過去の戦後ドイツ(関与した者たちはどう裁かれたのか;医学界はナチの過去とどのように向き合ってきたのか ほか)
「BOOKデータベース」 より