記憶に残る日本語 : 文豪一二四人の名言・名文

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記憶に残る日本語 : 文豪一二四人の名言・名文

中村明著

青土社, 2024.6

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記憶に残る日本語 : 文豪一二四人の名言名文

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キオク ニ ノコル ニホンゴ : ブンゴウ ヒャクニジュウヨニン ノ メイゲン・メイブン

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Description and Table of Contents

Description

作家たちによる日本語表現の極意。

Table of Contents

  • 心の底を叩いて見るとどこか悲しい音がする
  • 千七、八百年前に同時に型を脱し、同時に窯を出て、同じ墓壁に
  • 宵闇に浮かぶ白い浴衣も、おぼつかない白粉の匂いも
  • 桐の花の色もちらつかせ、カステラの手ざわりも匂わせたい
  • 首だけが、ひとりでに高く登って行く様な気持ち
  • うれしさ、聡ずかしさのやり場はこれ以外になかった
  • 秋の雨自らも、遠くへ行く寂しい旅人のように
  • 老年の凍りつくようななさけなく
  • 桜の樹の下には屍体が埋まっている
  • 風鈴の音がその日いちにちの終りをセンチメンタルに結ぶ
  • 五彩の花々は絶間なく空を染め、絶間なく空に吸込まれた
  • 薄鈍びて空に群立つ雲の層が増して
  • 浅草の路地の朝は、味噌汁のかおりで明けた
  • 永劫であろうとするような光の顫動が音響をすら放って
  • 夕日が波紋のような最後の光を放っている中へ五つの影が
  • 貝がらを耳に当てると海の音が聞えるの
  • 街燈に照らされた雨が、物思いにふける主人公の姿を映す
  • 胸の中にほんの少し不逞な気分が入りこんできた
  • お前の舌/お前の眼/お前の昼寝姿が/今はっきりと
  • 思いつめた目をした中年男が冷たく光る鋭利な刃物を
  • やがてだれもいなくなった庭だけが残った
  • 彼女自身の心みたいに暗い森の奥で
  • マッシュされたじゃがいもに長靴の底の模様が残る
  • まさに辞書の鬼で、鞄は「どす黒い情念の塊」

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