妖春記
Author(s)
Bibliographic Information
妖春記
講談社, 1994.3
- Title Transcription
-
ヨウシュンキ
Available at / 9 libraries
-
No Libraries matched.
- Remove all filters.
Search this Book/Journal
Description and Table of Contents
Description
科学者をめざしたこともある古具実千子は、春になると決まって身心とも調子がおかしくなる。すべてが過敏になる一方ですべてが鈍感になるのだ。何も目立つところのない自分は透明人間みたいだ、と思ったりする。肉親や血縁、同棲相手、旧職場の同僚などとの関係の危うさらに想いを馳せるにつけ、実千子は過去から未来へ、未来から過去へと揺れうごく自分の心を凝視することになる。かつては何物かになりたいというはっきりした欲求があったが、今はそれも薄れている。しかし、日々は案外に楽しく、飽きない。春は終った。いま実千子は職を得て、明るい大きなビルの「受付嬢」である。新しい展開をみせる増田みず子の小説世界。長篇意欲作。
by "BOOK database"