フォック空間と量子場
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フォック空間と量子場
(数理物理シリーズ)
日本評論社, 2000.8
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フォック クウカン ト リョウシバ
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内容説明・目次
- 巻冊次
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上 ISBN 9784535783171
内容説明
場の量子論の公理論的方法に関する入門書は優れたものがすでにいくつか出版されている。だが、構成的方法については、有限自由度の(非相対論的)量子力学の数学理論の標準的な部分を学んだ人が、それほど難なく、引き続いて読むことができ、かつ現在進行中の研究へ入ってゆくことが可能であるように組織だてて書かれた入門書はまだないように見える。本書はそのような書物のひとつたらんことを目指すものである。上巻では、序章を除いて、量子場を数学の中心的理念のひとつをなすフォック空間の理論を詳述する。序章は「量子場がいかなるものであるか、あるいは、あるべきか」についてのおおまかな観念を読者に提示するとともに量子場に関わる数学的諸問題を概観する。1章から6章までは、下巻への応用を念頭におきつつも、それ自体、純粋に数学の理論として読めるように書いた。しかも、可能な限り、一般的・抽象的な形で理論展開をおこなった。こうすることにより、より高次の普遍的な数学的構造があらわにされ、フォック空間が属する数学的理念界の領域を透徹した明晰な認識のもとに俯瞰することが可能となる。これは美的な意味でも人を深く満足させうるものであり、しかも、こうした認識方法は応用上も極めて強い力となりうる。
目次
- 第0章 序:量子場とはどういうものか—スケッチ
- 第1章 ヒルベルト空間のテンソル積
- 第2章 線形作用素のテンソル積
- 第3章 全フォック空間と第2量子化作用素
- 第4章 ボソンフォック空間
- 第5章 フェルミオンフォック空間
- 第6章 ボソン‐フェルミオンフォック空間
- 巻冊次
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下 ISBN 9784535783188
内容説明
場の量子論の公理論的方法に関する入門書は優れたものがすでにいくつか出版されている。だが、構成的方法については、有限自由度の(非相対論的)量子力学の数学理論の標準的な部分を学んだ人が、それほど難なく、引き続いて読むことができ、かつ現在進行中の研究へ入ってゆくことが可能であるように組織だてて書かれた入門書はまだないように見える。本書はそのような書物のひとつたらんことを目指すものである。下巻では、上巻の理論の応用編としての量子場の理論を叙述する。公理論的方法の短い叙述である7章を除いて、量子場の個々のモデルを構成し、その基本的性質を論じる。8章から11章にわたって、自由場のクラスに属する量子場を全部で4種類構成する。自由場は相互作用をする素粒子を記述するものではない。相互作用を記述するモデルの論述は12章、13章でなされる。12章では、van Hoveモデルとよばれるモデルを扱う。これは、相互作用をもつ量子場の雛形として、多くの研究者によって、すでによく解析されているモデルである。しかし、本書では、このモデルを抽象的な形で論じ、モデルの普遍的構造を明るみに出した。さらに、質量0の素粒子に関わる赤外発散の問題を詳しく論じた。13章は、複数の非相対論的量子的粒子と量子場が相互作用をする系のモデルの構成と解析に関するものである。ここでは、この分野の最新の研究に直結する内容が論じられている。
目次
- 第7章 量子場の一般論
- 第8章 De Broglie場の量子論
- 第9章 自由なKlein‐Gordon場の量子論
- 第10章 電磁場の量子論
- 第11章 自由なDirac場の量子論
- 第12章 van Hoveモデル
- 第13章 粒子と量子場の相互作用モデル
「BOOKデータベース」 より