悲劇と福音 : 原始キリスト教における悲劇的なるもの
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悲劇と福音 : 原始キリスト教における悲劇的なるもの
(Century books, . 人と思想||ヒト ト シソウ ; 160)
清水書院, 2001.3
- タイトル読み
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ヒゲキ ト フクイン : ゲンシ キリストキョウ ニ オケル ヒゲキテキ ナル モノ
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注記
引用・参考文献: p178-183
内容説明・目次
内容説明
人の心をゆさぶらずにいない「悲劇的なるもの」という要素は、原始キリスト教の成立と発展にいかに関わったか—。小書はまず、アリストテレス『詩学』を手がかりに、「悲劇的なるもの」の基本的条件を探り、それらの要素を最古の福音書マルコに適用する。マルコこそ、最も「悲劇的」な内実の福音書である。同要素は、さらにキリスト教最初期の事件そのものにも適用され、イエスの死後のエルサレム原始教会の誕生、および使徒パウロの事柄把握が、「悲劇的」感性の展開した姿として把握される。「悲劇的なるもの」との出会いこそ、後に「キリスト教」として発展する運動の母胎であった。原始キリスト教は、悲劇に遭遇した者たちの心の軌跡として読み直すとき、思いがけない生々しさで甦る。
目次
- 第1章 文学作品における「悲劇的なるもの」(「悲劇的なるもの」とは—アリストテレス『詩学』より;悲劇的文学作品の定義)
- 第2章 原始キリスト教における悲劇的文学の造形(マルコ福音書;前マルコ受難物語)
- 第3章 最初期の原始キリスト教における「悲劇的なるもの」の発現(歴史における「悲劇的なるもの」;イエスの十字架事件;パウロ)
- 第4章 原始キリスト教における「悲劇的なるもの」の衰退と残存(パウロ的潮流において;福音書において;非悲劇化されえぬもの)
- 結論—悲劇的なるもののキリスト教的意味
「BOOKデータベース」 より