グレアム・グリーンの小説 : 宗教と政治のはざまの文学
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グレアム・グリーンの小説 : 宗教と政治のはざまの文学
音羽書房鶴見書店, 2004.2
- タイトル別名
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グレアムグリーンの小説 : 宗教と政治のはざまの文学
- タイトル読み
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グレアム グリーン ノ ショウセツ : シュウキョウ ト セイジ ノ ハザマ ノ ブンガク
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注記
参考文献: p287-289
内容説明・目次
内容説明
本書の第一部では、激動の二〇世紀を生き抜いたグレアム・グリーンの一九四〇年代(三十六歳)以降の文学作品を中心に考察する。中心課題は作家グリーンの見果てぬ夢の原点を探ることであった。その中核となるのは宗教と政治を結ぶ接点の模索であり、さらには神的愛と人間的愛との相克を見極めることであった。彼は単なる「カトリック作家」とか、世界を駆けめぐる「行動的政治作家」という一般的枠組みで縛られるような存在ではなく、宗教、政治など多様な分野に挑戦し、矛盾した諸契機を止揚しようと悪戦苦闘した思索家であった。以上の視点を軸として、多様な行動軌跡に惑わされることなくグリーンの作家的原点を煮詰めた。第二部ではグリーンと同時代の英米、さらに日本の文学界の状況にも焦点をあて、客観的なグリーンの文学位置づけをしようとした。これによって「二〇世紀文学」へのグリーンの文学的貢献の多寡を問うた。
目次
- 現代小説史上のグリーン
- カトリック小説三部作—模索する神の栄光
- 『権力と栄光』—遠藤周作におけるカトリシズムと比較して
- 『事件の核心』—通俗小説との接点
- 『第三の男』—映画からみえるもの
- 『情事の終り』—小説技法の実験
- 『おとなしいアメリカ人』—政治モラルとの葛藤
- 『ハバナの男』—政治音痴への警鐘
- 『燃え尽きた人間』—愛と信仰の真空をめぐって
- 『喜劇役者たち』—グレアム・グリーンにおける悲劇の構想〔ほか〕
「BOOKデータベース」 より