日本に於ける理性の傳統
著者
書誌事項
日本に於ける理性の傳統
(中公叢書)
中央公論新社, 2007.8
- タイトル別名
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日本に於ける理性の伝統
- タイトル読み
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ニホン ニオケル リセイ ノ デントウ
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注記
關連略年表: p504-514
内容説明・目次
内容説明
「理性」や「自由」の觀念は、西歐の近代文明を拓き推進した輝かしい進歩の標語であり、日本人は江戸時代の半ばに洋學の移入を通じて徐ろにこの種の理念に眼を開かれて行つたのだ—と、讀書人諸氏の多くがそんな先入見を持つて居られるのではないか。それは大いなる誤認であつて、「理性」も「自由」も元來日本人の精神風土の内から自然に發生し成熟した固有の傳統の所産であり、而もそれは西歐近代の開始に約三百年先行する鎌倉時代の出來事だつたのだ。この事實を史料的論據を連ねて論證しようといふのが本書の作因である。
目次
- 近代の黎明・鎌倉時代—日本に「中世」はあつたのか
- 1 「道理」の世紀を拓いた人々(思索の發祥と「道理」の發見—慈圓『愚管抄』;政道に於ける「道理」—北條泰時『關東御成敗式目』;「道理」の歸結としての「當爲」—栂尾明惠上人『遺訓』及『傳記』 ほか)
- 2 時代の標幟語としての「自由」と「理性」(戰國武將達の「自由」衝動—「自由」の根據としての道理追求;イエズス會士サヴィエルの發見—日本人の「理性」;世界像をめぐって、東西「理性」の衝突—キリシタンの世紀を彩る論爭 ほか)
- 3 「超越者」と「理性の思惟」(創造主世界觀との對決・習合—本多正信『本佐録』;「理性の思惟」の三種の契機—鈴木正三『驢鞍橋』他;朱子學的世界説明再考—白石、鳩巣、益軒 ほか)
- 道理と徳の文明VS.意志と力の文明
「BOOKデータベース」 より