書誌事項

百年後に漱石を読む

宮崎かすみ著

トランスビュー, 2009.8

タイトル別名

100年後に漱石を読む

タイトル読み

ヒャクネンゴ ニ ソウセキ オ ヨム

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注記

日本学術振興会科学研究費補助金 (基盤研究(C)平成19年~22年度、課題番号: 19520204) の交付を受けた研究成果の一部として刊行されたもの

内容説明・目次

内容説明

『それから』の三千代の顔色は、なぜ赤くなったり蒼くなったりするのか。『門』の宗助が取り戻したかったものとは。『心』の三人にはなぜ名前がないのか。『吾輩』が鼠を取らないと決心した訳は、そして迷亭はなぜ法螺ばかり吹くのか。—百年後に残るのは自分のみと記した漱石に応えて、全く新しい読みを展開する文学批評の冒険。

目次

  • モナ・リザと吸血鬼—『それから』を循環する血と金(「宿命の女;那美という形象;三千代の顔色;スパーマティック・エコノミー;白百合の香を嗅ぐ;禁じられた男性間エロス;神経衰弱と変質論;自慰の問題の核心;夢の中で逢う;愛するのは心か脳か)
  • エロスの変容—『門』のホモソーシャルな欲望(身体の近代化;泥棒のモチーフ;喪われた絆を求めて;宗助が盗んだもの;夜の冒険者たち;落魄の予感;他者としての女;現在を呪う過去)
  • もう一つの聖書物語—『心』における血の盟約(鮮烈な赤;なぜキリスト教なのか;血のメタファーの変転;ワイルドの「イエス論」;三人には名前がない;室内空間の構造;三角関係の解剖学;童話「漁師とその魂」;転倒する主体と客体;同性愛エロスの発動;Kの「復活」;名辞の彼方へ)
  • 作家の誕生—『吾輩は猫である』の虚と実(講義と実作の同時進行;苦沙弥の写生画はなぜ失敗したか;固有名と虚構の逆説;滑稽と諷刺の源泉;分身としての苦沙弥と迷亭;虚構とリアルの関係;危うく名付けられかけた猫;なぜ鼠を取らないのか;ファルスとしての博士号;鉄の男と山の芋;寒月の真意と両義性;禿を隠す女たち;衣服という記号;古井武右衛門の艶書事件;夏目漱石の誕生)

「BOOKデータベース」 より

詳細情報

  • NII書誌ID(NCID)
    BA91177957
  • ISBN
    • 9784901510769
  • 出版国コード
    ja
  • タイトル言語コード
    jpn
  • 本文言語コード
    jpn
  • 出版地
    東京
  • ページ数/冊数
    367p
  • 大きさ
    20cm
  • 分類
  • 件名
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