ニコマコス倫理学
著者
書誌事項
ニコマコス倫理学
(ワイド版岩波文庫, 346,
岩波書店, 2012.1-2012.2
- 上
- 下
- タイトル別名
-
Ηθικων Νικομαχειων
Ethica Nicomachea
- タイトル読み
-
ニコマコス リンリガク
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注記
底本: I.Bywaterの校訂本 (Oxford, 1894)
標題紙のシリーズ番号(33-604-1, 33-604-2)は底本にあたる岩波文庫青版のもの
内容説明・目次
- 巻冊次
-
上 ISBN 9784000073462
内容説明
古代ギリシアにおいて初めて倫理学を確立した名著。万人が人生の究極の目的として求めるものは「幸福」即ち「よく生きること」であると規定し、このあいまいな概念を精緻な分析で闡明する。これは当時の都市国家市民を対象に述べられたものであるが、ルネサンス以後、西洋の思想、学問、人間形成に重大な影響を及ぼした。
目次
- あらゆる人間活動は何らかの「善」を追求している。だがもろもろの「善」の間には従属関係が存する
- 「人間的善」「最高善」を目的とする活動は政治的なそれである。われわれの研究も政治学的なそれだといえる
- 素材のゆるす以上の厳密性を期待すべきではない。聴講者の条件
- 最高善が「幸福」であることは万人の容認せざるをえないところ。だが、幸福の何たるかについては異論がある。(聴講者の条件としてのよき習慣づけの重要性)
- 善とか幸福とかは、快楽や名誉や富には存しない
- 「善のイデア」
- 最高善は究極的な意味における目的であり自足的なものでなくてはならない。幸福はかかる性質を持つ。幸福とは何か。人間の機能よりする幸福の規定
- この規定は幸福に関する従来のもろもろの見解に適合する
- 幸福は学習とか習慣づけとかによって得られるものか、それとも神与のものであるか
- ひとは生存中に幸福なひとといわれうるか〔ほか〕
- 巻冊次
-
下 ISBN 9784000073479
内容説明
アリストテレス(前三八四‐三二二)の著作を息子のニコマコスらが編集した本書は、二十三世紀に近い歳月をしのいで遺った古典中の古典である。下巻には「抑制と無抑制」について述べる第七巻、各種の「愛」を考察する第八・九巻、「快楽」に関する諸説の検討と「幸福」について結論する第十巻を収める。詳細な索引を付す。
目次
- 抑制と無抑制(悪徳・無抑制・獣的状態。ならびにその反対のもの。抑制と無抑制とに関するもろもろの通説;これらの見解に含まれている困難。以下かかる難点が解きほぐされなくてはならない ほか)
- 快楽—A稿(快楽の究明の必要。快楽は善でないという三説とその論拠;右についての全面的な検討 ほか)
- 愛(フィリア)(愛の不可欠性とうるわしさ。愛に関する疑義若干;愛の種類は一つではない。その種別は「愛さるべきもの」の種類いかんから明らかになる。「愛さるべきもの」の三種—善きもの・快適なもの・有用なもの ほか)
- 快楽—B稿(快楽を論ずる必要。快楽の善悪に関する正反対の両説。その検討の必要;快楽は善であるとするエウドクソスの説。(その制約。)エウドクソスに対する駁論の検討 ほか)
- 結び(究極目的とされた「幸福」とは何か。それは何らか即自的に望ましい活動でなくてはならぬ。だが快楽が「幸福」を構成はしない。「幸福」とは卓越性に即しての活動である;究極的な幸福は観照的な活動に存する。だがかかる純粋な生活は超人間的である ほか)
「BOOKデータベース」 より