幸せのグラス
著者
書誌事項
幸せのグラス
(Lettres)
みすず書房, 2015.5
- タイトル別名
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A glass of blessings
- タイトル読み
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シアワセ ノ グラス
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注記
原著 (London : Jonathan Cape, 1958) の翻訳
内容説明・目次
内容説明
『秋の四重奏』から日本でも愛読者を得たバーバラ・ピム。『幸せのグラス』は、おひとりさま小説『よくできた女』とともに前期喜劇の双璧をなす長編である。語り手をつとめるヒロインは、戦後ロンドンの高級住宅街で役人の妻として何不自由ない生活を送る、33歳の美しきウィルメット・フォーサイス。しかし実のところ彼女は人生に退屈している。そこに現れたのが謎めいた美男子ピアーズ。酒癖が悪く、危なっかしい彼に心惹かれるウィルメットは、自分の不倫願望には無自覚のまま「ピアーズ改良計画」の名分のもと彼に接近してゆく。どこまでも軽やかな筆致で彼女の関心や悩みを語りながら、ウィルメットが欠点だらけのうぬぼれたダメ女にもかかわらず、読者に彼女を憎ませない手法は、20世紀のジェイン・オースティンと呼ばれるピムの上手さ全開である。生誕百周年を過ぎた今日に至るまで人気は衰えず、研究者・批評家によるピム論も跡を絶たない。詩人フィリップ・ラーキンは『幸せのグラス』をピム作品のなかでもっとも巧緻な最高傑作とみなしている。
「BOOKデータベース」 より