源氏物語再考 : 長編化の方法と物語の深化

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源氏物語再考 : 長編化の方法と物語の深化

高木和子著

岩波書店, 2017.7

タイトル読み

ゲンジ モノガタリ サイコウ : チョウヘンカ ノ ホウホウ ト モノガタリ ノ シンカ

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内容説明・目次

内容説明

当初は格段に小さい物語だったはずの源氏物語は、いかにして長編化を成し遂げることができたのか。小さな物語は、人びとの多彩な要望に応じて書き継がれながらも、可能な限りの整合を保ちつつ、大きな物語へと成長していく。その過程の痕跡をつぶさにたどることで、物語長編化の内なる動因を解き明かす。

目次

  • 1 物語の長編化の方法(源氏物語の構成原理—物語の非一元性;物語の縦軸と横軸—類聚化の諸相;系図の変容—桐壺院の皇子たちと朱雀朝の後宮;原型からの成長—長編化と時間意識)
  • 2 人物像の成熟と物語の深化(光源氏の秘事—負荷される苦悩と物語の深化;源氏物語のからくり—反復と遡上による長編化の力学;三つの予言—変容する構造;薫出生の秘事—匂宮三帖から宇治十帖へ)
  • 3 物語歌の機能と表現(作中和歌は誰のものか—花散離・朝顔・六条御息所の場合;伝達と誤読の機能—虚構の贈答歌;儀礼の歌における私情—朱雀院と秋好中宮の贈答歌;『古今六帖』による規範化—発想の源泉としての歌集)
  • 4 物語の言葉と思考(「みやび」の周縁化—言語化の回避;「飽かず」の力—物語展開の動因;第二部における出家と宿世—仏教的価値観による照射;古代語の「身」—「身にあまる思ひ」)
  • 5 物語の構築方法(虚構の人物の創造—相対的形象、准拠の利用、詳細化;場面形象の模索—型からの逸脱と語りの方法;慣用表現の利用—物語を拓く引歌・引詩;仮名日記文学における物語性—真実と虚構の相克)

「BOOKデータベース」 より

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