書誌事項

アウシュヴィッツの巻物証言資料

ニコラス・チェア, ドミニク・ウィリアムズ [著] ; 二階宗人訳

みすず書房, 2019.5

タイトル別名

Matters of testimony : interpreting the Scrolls of Auschwitz

アウシュヴィッツの巻物 : 証言資料

タイトル読み

アウシュヴィッツ ノ マキモノ ショウゲン シリョウ

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注記

原著 (Berghahn Books, 2016) の全訳

参考文献: 巻末p[11]-26

内容説明・目次

内容説明

ナチのユダヤ人絶滅収容所内に設置されたガス室は、移送されてきたユダヤ人から選別された囚人「ゾンダーコマンド」(特別作業班)によって稼動していた。彼らは人々がガス室へ送られるのに立会い、遺体の焼却や処理、清掃など、「地獄」の労働を担わされた。ゾンダーコマンドたちがひそかに書き残してアウシュヴィッツ収容所の火葬場の地中に埋めた記録、手記や手紙が戦後、数十年にわたって発掘されている。イディッシュ語やフランス語、ギリシア語などの言語で書かれ、内容も文体も体裁もさまざまである。ガス室の入り口から隠し撮りした写真もあった。やがて死の選別が自らにも下される恐怖のなかで、書くことは彼らの生を支え、同時にナチに対する抵抗でもあった。それは外部の他者、後世の人々とつながろうとする意志であり、ホロコーストがしばしば「表象不可能」と評されることへの根源的な反証となっている。ゾンダーコマンドの文書は旧約聖書の中でも特別な書とされる五書にちなんで「巻物」と呼ばれる。「巻物」の書き手たちはほとんど生きて還ることはなかった。彼らはなぜ、何を、どのように書いたのか。本書は「アウシュヴィッツの巻物」の全体像を詳しく考察した初めての書である。

目次

  • 序文 証言問題
  • 第1章 歴史問題
  • 第2章 ザルマン・グラドフスキ—死の工場における文学
  • 第3章 散在した自我—レイブ・ラングフスの話
  • 第4章 終極の準備—ザルマン・レヴェンタルの抵抗史
  • 第5章 筆跡と手紙—ハイム・ヘルマンとマルセル・ナジャリ
  • 第6章 カメラの眼—ビルケナウからの四枚の写真
  • 結論 炎の輪を通り抜ける

「BOOKデータベース」 より

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